5. 世界遺産を歩く
・気分はフランス人？
６月１５日、ケベックシティの観光は１日半。
宿泊ホテルは、マリオット系のCourtyard。ビジネスマン向けのホテルだが、アメリカ出張でもちょっと高めのために（とは言っても１泊US$120～130）利用したことは無く、一度は泊まってみたいと思っていた。
室内は最低限の設備がそろっており、当然無料ブロードバンドインターネットも装備。おかげで夜はメールチェックをしたり、必要に応じて仕事したり。アメリカ系ホテルのいいところだ。コインランドリーもあるので、洗濯をして、乾燥機にかけている間に朝食。
立地は旧市街の入り口、サン・ジャン門の目の前。朝食は旧市街にある「カス・クレープ・ブレトン」。クレープ屋だ。朝食にクレープって、ちょっとおしゃれじゃありません？（笑）
食べたのはハムとチーズとマッシュルームのクレープ。結構ボリュームがあったので、観光は相当歩く必要がありそうだ。値段は２人でチップ込みC$18.10。１人800円ちょっとはやや高めかな。女性が１人で切り盛りして、紳士淑女がゆっくりと食事やコーヒーを楽しんでいる中、僕らもフランスらしさ、ケベックらしさを体感した。
・城塞を見る
ホテルに戻って洗濯物を片づけ、いよいよ観光。今にも雨が降りそうな中、傘は持たずに出発。
まずはケベックのシンボル、シタデル（要塞）へ。旧市街の外側の道を歩き、州議事堂を横目に見て、サン・ルイ門から入る。入り口の近くまで来たものの、どこからは行ったらいいかわからず困っていたら、「ツアーに参加するの？ じゃあ中でチケットを買ってこの辺りで待ってて」と女性に言われ、言われるまま、チケットを購入。１人C$8.00。
ここは国立公園ではあるが、同時に現役の軍事施設のため、ツアーでないと中には入れない。ツアーで入れるのはカナダ軍の資料を展示した建物がメインで、あとは高台からのケベックシティの眺望を楽しむことが出来る。
案内してくれたのは女性で、英語とフランス語のツアーがある。平日の午前ということで、僕らのツアーパーティはアメリカ人夫妻、ブラジル人女性と僕らという少ない構成だったが、この時期は学校の遠足が多いようで、僕らの前のツアーは小学生とおぼしき団体がわいわいやっていた。
シタデルを出たあと、その外周を歩き、セントローレンス川に出て、「総督の散歩道」と言われる川沿いの道をおりて行くと、目の前に巨大な建物が出現した。古城のような高級ホテル、シャトー・フロントナックだ。
とても宿泊するなんてできないので、せめて記念に地下のショッピングモール内にあるカフェで昼食。C$20.00。
・「巨大テーマパーク」を歩く
旧市街そのものが世界遺産であるケベックシティ。古い建物の多くは教会かお店で、リアルな歴史のある、張りぼてではないテーマパークといった感じ。まずはシャトー・フロントナックを出て、画家が自分の作品を並べているトレゾール通りを抜け、ノートルダム大聖堂へ。その後川の方におりて行くと、そこはプチ・シャンブラン地区。勝利のノートルダム教会を見て、かわいらしい店が並ぶ通りをぶらつく。
勝利のノートルダム教会の前のロワイヤル広場には、巨大でリアルな壁画がある。
プチ・シャンブラン地区に降りて行く道には、「首降り階段」と呼ばれる急な階段と、フニキュラーというケーブルカーがある。この辺りでＴシャツとメープルシロップを購入。
また城壁の中に戻り、ウルスリンヌ教会、ホーリー・トリニティ教会を見る。ほとんどの教会は中を見ることができる。その後何か買うでも無く、旧市街をぶらぶら。
シタデルと同じく、旧市街も遠足とおぼしき小中学生が多く、そういった連中に「ニーハオ」と声をかけられる。
カナダ人にとって身近なアジア人は中国人ということか。
・Table d'hoteのワナ
ホテルに戻り、休憩したあと、夕食に出直す。レストランはケベック料理を食べられる場所を決めてあった。
旧市街の中にあるAux Anciens Canadiensという郷土料理のレストラン。まだ早いのか、入ったときは待たされることなく、席に着いた。
昨日ホテルのレストランでTable d'h冲e（英文フォントで表示されない人のために：実際はoの上に^が付く）とは何かを訊いてみたところ、メインに前菜とスープとデザートがつくコース料理だと言っていた。日本で言うディナーコースだ。じゃあそれを試してみようじゃないか。僕は肉料理の盛り合わせ、カミさんは肉と野菜のシチューと頼む。
もちろんTable d'h冲eで。
・・・正直失敗した。
パンの次の前菜で結構大きめ。
その後スープ、メインと出て、僕もカミさんもメインのあまりにもの量の多さに途中ギブアップ。さらにはデザートまで相当な量で、本当にケベックのやつらはよくもこれだけ食べられるものだと思う。かわいいウエイトレスに「もう食べられないのぉ？」と言う顔で皿を引かれたときには正直かなりの敗北感だった。
レストランを出たら、シャトー・フロントナックがライトアップされてきれいだった。夜はこれからなんだろうが、僕らはこりゃ明日の朝食は重いものは食べられないと、近くのスーパーでサンドイッチを買って、ホテルに直行したのだった。
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